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松前公高の「たった三言」その7
サンプリングCDのすすめ!(前編)

バックナンバーはhttp://www.dipss.com/dee/dtmkouza/f-dtm.html

こんにちわ。松前公高です。先日、僕が毎月定期的にDJをやっている高円寺のマニュエラカフェ(http://www.manuera.com/)で友人がやったDJイベントに「最近買ったレコード」ってのがありました。イベント名が「最近買ったレコード」っていいな〜。テーマがテーマだけにネタは実際自分の最近買ったレコードという事で、かなりプライベート色が強いけど、例えばインターネットでも日記って結構多いですが、人の私生活が、のぞける様な感覚がとても楽しいですね。そういう僕もホームページでは人に私生活をのぞいてもらおうと日記を二年以上つけています。

で、この連載でも「最近、買った楽器!」というテーマで一回ぐらい書こうかな?とも思ったのですが、実は最近それほど欲しいと思える魅力的な機材がなくて、あまり買ってないんですよね。この半年でも、一番大きな買い物はノードモジュラーですが、これはもうあまりの気に入り様で、キーボードマガジンの方で2ページの連載をやっていますので、そちらを是非、ご覧ください。あとの買いものといえば、マークオブザユニコーン社の2408。これがやっと今週わが家にやってきましたが、まだやっと使い始めたばかり。という事で「最近、買った楽器!」で特集組める程のものはないので、これはいつか大量 に買い物した時にでもまわしましょう。

さて、で、今回はちょっとメールでリクエストを頂いたもので、「サンプリングCD」について書こうと思います。サンプリングCDはご存じの様に、サンプラーやハードディスクレコーディングで使用する為の素材集的なCD、あるいは、それをAKAIやその他サンプラー用のCD-ROMにしたものを総称して言います。CDショップで、通 常そういった「音ネタ」というものを探そうと思うと、当然「効果音」のコーナーを探す事になります。しかしそこには一般 的な効果音はたくさんありますが、音楽で使える様なフレーズや楽器の音といったものはありません。CDショップではDJが使う用のブレイクビーツのCDやレコードがわずかにテクノやハウスといったジャンルの片隅に置かれている場合がありますが、これらの多くはDJ用なので、同じビートで数分間入って、10〜20パターンでCDになっているので、サンプラーを使用する人には逆に割高になります。

そこで出てきたのが、「サンプリングCD」です。要はオーディオCDなのですが、なんと価格は1枚7000円から14000円程度と非常に高価。しかし内容も実にそれにみあうだけのものになっています。例えば、普通 の誰かのCDからイントロのフレーズを抜き出して、なんて作業をやっていると当然、権利の問題にもなりますし、1枚のCDから、抜き出せるフレーズは限られています。せいぜい数フレーズでしょう。フレーズが大量 に収録されており、きれいに分類され、その使用権も保証されているサンプリングCDの方が、実は数倍お得なのです

中には、普通ではめったにおめにかかれない様なめずらしい楽器の単独の音や、有名なプロミュージシャン、例えばドラマーの演奏をドラムパートだけで手に入れられるとか、ハウス、ヒップホップ、テクノなどで使用されるドラムパターンを大量 に収録したブレイクビーツ集も、1小節単位で74分フル入れれば何と1000〜1500パターンも入っていたり。「ソフトウェアを買う」という感覚に、やっとではありますが慣れてきた我々にとっては、しっかり試聴し、買った後もフルに利用すれば、決して高い買い物ではありません。(試聴は重要です。その為に、各楽器店では、試聴用のCDを常設している所が多い様です)

ただ最近発売されるサンプリングCDには倦怠期が訪れた感があります。そこでちょっと無理矢理ではありますが、サンプリングCDの歴史をずっと最初から追ってきた人間として、時代別 にある程度、傾向があるというか、流れがあると感じましたので、分類してみる事にしましょう。(年代の定義はちょっと無理がある感じがありますが)

◆初期 1990〜93頃
楽器の音を一つ一つ演奏したものなど、オーディオ用には不向きなものも多く、今思うとアイデアも足りないし、音もそれほどよいものも少ない。ただ、このジャンルを確立するのに貢献した名作もある。BOB CLEARMOPUNTAINのDRUMSや、ZERO-GのDATAFILEシリーズなどはおすすめ。

発展期 94〜96頃
普通のものでは売れないので、かなり特化されたものが出回る。楽器的にもめずらしい民族楽器のものが増えたり、ブレイクビーツ(ドラムパターン)ものは量 で勝負で1000〜1500パターン入りなど。最も盛んで、おすすめだった時代と言える。

◆ドラムンベース期97〜??頃
ネタもつき、個人プロデューサーのプライベート盤的なものが多くどれも同じな感じがする。流行りだからしょうがないのかもしれないが、ドラムンベースものがあまりに多い。しかもそれが曲を分解して各パートを収録したというもので、なんだか曲の着せ替え人形的で、これを使って曲を作って果 たしてそれが自分の曲なのか?よくわからない世界。

こういう事で、最近はもうアイデアがないのか、めずらしい楽器も全て製品になってるからか?あまり目新しい動きがなく、どれもかわりばえしないものが多い様です。

つまり、どこかの国の有名なドラムンベースのプロデューサーが作った、ドラム、ベース、シンセ、声、エフェクト集。といったノリ。どれをとっても似たようなものが多く、しかも、どれも各パーツに対しては、その数は少ないので、不十分という感じ。それなら、ベースやコードはシンセでやるから、ドラムパターンだけとりあえずもうこの一枚さえあれば!という様なものの方がよっぽど使い勝手がいいと思うのですが。

という事で、次回は、そういった部分でこだわりまくった、特化した、サンプリングCDを中心に、松前公高が絶対におすすめするCDを紹介しようと思います。次回をお楽しみに。(今回は全く三言でもなんでもないものになってしまいました。ごめんなさい)



プロフィール

松前公高(まつまえきみたか)

87年エキスポでデビュー。その後、S.S.T.バンドをへて多くのゲームミュージックを制作。
テクノ系アーティストとしてソロアルバムもトランソニック、ソニーなどから発売。
また、キーボードマガジン、サウンドアンドレコーディングマガジンではアナログシンセに関する連載や辛口のレビューで有名。
昨年はソフトバンクより DTMを哲学する!「デジタルミュージックブック」を出版。


リアルオーディオ、DTMのFAQ、日記、旅行記と支離滅裂に満載
「松前公高ホームページ」http://www.pluto.dti.ne.jp/~matsumae/
全然DTMと関係ない?ウェブ版PC Musicとも言えるM-Zineで連載中
「松前公高のオヤジのグチ」http://www.zdnet.co.jp/music/