コバヤスキーの音楽コラム 
〜 初心者のためのDTMコラム〜

コバヤスキー。
ある晴れた昼下がり、通りすがったホワイトハウスの呼び鈴 を押した。返事がなかったので、こっそり大統領のモーニングティーのお砂糖を塩とすり替え、しょっぱさに慌てふためく彼の姿をデジカメに収めることに成功。それがゴールデンタイムに放映されるが、あまりにショッキングな内容は世界を敵に回す起因となり、命その他諸々を狙われることになる。現在、友人であるラブリー男爵の地下室に幽閉されながら、コラム等を書いている。

第1話
 〜何をするにも、まずパソコンありき〜
第2話
 〜汝、こころを聞け〜 
第3話
 〜迷と明、わたしはここに〜 
番外編
 MIDI検定リポート
第4話
 〜ついにできた、DTM!〜
   

〜楽典でつまずかないための楽典〜    by コバヤスキー

▼はじめに
今回は、楽典にいどんで、挫折しそうな方への応援です。楽典のむずかしさに音 を上げている方、いらっしゃいませ。弊社では、そのような方への配慮も忘れて はおりません。忙中ご足労をおかけいたしますが、わたくしのご指導ご鞭撻のも と、下文をよく読んで頂きますと、将来は赤いガウンに身を包んで、片手にワイン グラスをかたむけ、高いところから下界を見下ろし、わはは、と笑えるような音 楽界の結構、イヤな重鎮(じゅうちん)に・・・(以下略)

で、ここに、とある楽典があります。それをもとに、ひとつ、いきますか!

●たとえば音程
みなさんは、「九九」を小学生時代初頭に覚えたと思います。算数の基本です。 忘れちゃった方、いませんか?わたしは8〜9の段がすぐにいえません。で、DT Mや音楽を始める上で、「九九」同様に、知っておくべきモノに「音程」があり ます。ココを押さえてしまえば、コードや、各種音階など、さらなる次元に進め るようになります。ここは以外と大切なトコロなんですよ!

「音程」・・・高さが異なる、二つの音の隔たり。
1度、2度、3度、8度あたりは、皆さんが、頭の中で、ピアノの鍵盤を思い浮 かべ、間の鍵盤の数を数えて「短2度だ!」「長3度だ!」と答えているかもし れません。が!4度〜7度となると、コトは複雑になります。
たとえば、ハ長調で音程が4度の場合、五線譜上で、下の音が「ファ」、上の音 が「シ」のとき、同じ4度でも、「増4度」となります。下の音がその他のドレミ ソラシのときは「完全4度」となります。
上記のケースは音程のはかり方を理解していれば、とまどう事はありません。本 書を読めば、気の利いた方なら、音程の項目が、わずかな時間で理解できるでしょ う。ちなみに簡単に音程がはかれる方法は「音程は二つの音の下の音をみる」と なっています。

●たとえば「歌」
それと、もうひと つ!本書に忘れてはならないものに「歌」があります・・・音程のための「歌」、 コードネームのための「歌」、移調楽器のための「歌」など、著者が苦労して作っ たと思われる、その章の大切な部分をまとめたものが歌詞になっています。それ らに旋律はありませんが、コレを見たとき、「自分は大切にされているんだぁ」 と、孤独感がふっとんだものです。読者思いなつくりです。

●それにやさしい
各章には問題が出されているのですが、ひとつの問題を、順を追ってわかりやす く解きすすめるような章もあります。(問題と解答しか書かれていない章もあり ますが)学生時代に数学などの先生が解答を黒板にゆっくりと書き進めていく有 様を見ているようで、懐かしい気分に浸れました。いきなり問題の答えを書かれ ても解らないですものね。

●本書の位置づけ
本書の位置づけですが、受験生むけの楽典に入るための入門用の楽典となってい ます。もしかして、皆さんが楽典で音を上げている原因は、受験生用のものを、 いきなり読みはじめていたのが原因だったのかもしれませんね!これからは用意 周到に行きましょう!
また、冒頭に「将来、音楽の専門家にはならないにしても、この楽典に書かれて いる範囲の音楽の知識は必要です」(著者)とあります。とりあえず読んでおけ ば安心。ラブリー男爵もおすすめ!?

●最後に
本書を手に入れたい方には、紹介をしておきながら申し訳ありませんが、現在、 絶版となっております。ですので、ネットなどを活用しないと手に入らないかも しれません。試しに、わたしが調べた結果、入手可能なサイトもありました(03 /05/11現在)それと、この書籍は、1992年が初版となっており、2001年に再版、 もしくは改訂されました。本文は前者を参考にしております。

●「明解・実用楽典」澤野立二郎著
 ドレミ楽譜出版社 ISBNコード 481089715X 1500円 2001年2月出版


 

〜衝動買いで♪オーケストラ・サウンド〜   by コバヤスキー

私(こばやし)は、寝る前にCDをかけることがあります。とくに、クラシック系 のCDを聴いていると、うとうとして、ちからが抜けてくるので、眠れないときに は重宝しています。どうやら、クラシック(オーケストラ)・サウンドは私にと って子守歌であります。

ある日、店頭で「オーケストラル」というソフト・シンセのパッケージを見つめ ていました。オーケストラル!いかにもすばらしいオーケストラ・サウンドが鳴 りそうな商品名ですよね?パッケージ裏をみると、オーケストラ・サウンドがばっ ちりと再現できそうなことが書かれています。なんと楽器編成(それぞれの楽器 の位置)まで考慮されている凝りようではありませんか。
よろこんで、そのまま会計に向かってしまいました。これを衝動買いといいます。 ポイントが売値の10パーセントたまりました。

DTMの世界ではソフトウェア・シンセサイザーというものがあります。このソフ ト・シンセというのは、MIDI音源などを必要とせず、パソコンとソフトウェアで 音をならすことができます。何種も世に出ています。
一般に、MIDI音源には素晴らしい音がたくさん内蔵されていますが、オーケスト ラ・サウンドに特化したものはあまり聞いたことがありませんし、楽器の音をそ れらしく鳴らすにはテクニックが必要です。でも、このソフトを使えば簡単に オーケストラ・サウンドが鳴らせるかも・・・これが本心です・・・

〜音を鳴らそう〜
オーケストラル用のデモ・ソングを鳴らすため、パッケージの付属品を一通 りイン ストールします。ちなみにこのソフト・シンセの動作条件はOSがXPの場合、 Pentium3だと800MHz以上です。気合いが入っていますね!

〜か・ん・げ・き! 〜
デモ・ソングを開いて再生ボタンを押すと、朝や昼間にうっかりつけてしまった 某公共放送の番組と番組の間で流れるような、すばらしい音色(ねいろ)の曲が聞 こえてきます。「おおーっ」しばらく、聞き惚れてしまいました。うっとり。
聞いているうちに、いままで私が趣味で作っていたオーケストラもどきの曲の MIDIデータはただの巨大な音符のデータのかたまりにすぎなかったのですね?と 文句をつけたくなるほど、個々の楽器の奏法の表現力はすばらしく、圧倒されて しまいました。

庶民のぼくが、たいした機器を必要とせず、こんな音を出せるようになるとは感 激です。これからもパソコンの処理能力がぐんぐん上がっていきますから、ソフ ト・シンセの将来が、たのもしく感じられます。

今回取り上げた、ソフト・シンセの詳細は下記へ。
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ローランド → http://www.roland.co.jp/
「Orchestral」→ http://www.roland.co.jp/products/dtm/HQ-OR.html


 

第4話 〜ついにできた、DTM!〜   by コバヤスキー

デプ太くんはパソコン選びもろくにこなせず、このままではDTMどころではあり ません。そして疲れたあげく、一行は7階の休憩所に寄ることにしました。7階に は「アウトレット・パソコンコーナー」もあります。

「アウトレット・パソコン」・・・新製品が発売されたため、店頭に並ぶ立場を 失ってしまった、古い型のパソコン達です。新品で在庫限り。でも人気がないと はいえません。この間まで最新機種だった製品もあるからです。一息ついたデプ 太くんはあたりを見渡します。「結構な性能のノートパソコンが10万円台!」デ プ太くんは、はっとしました。「お兄ちゃんならどれでもいっしょよ!」優子 ちゃんはもうどうでもいいようです。

「もっと安いパソコンはありませんか?」「ふふ、ありますよ・・・」店員さん が案内してくれたコーナーには80年代や90年代初期のパソコンが展示されていま した。今のパソコンとはなにか雰囲気がちがいます。「このパソコンでもDTMが できるの?」一応たずねてみました。「もちろんできます・・・ただ、最近の MIDI音源とかがつなげられるかどうかはちょっと・・・」

ふーん、そうなの。でも値段が極端に安い・・・最近のゲーム機よりも安いよ! ん?このパソコンは普通の家庭用TVに接続できるって書いてある・・・専用のモ ニターがいらないなんて、なんてお得なのだ!でも、CD-ROMドライブや、ハード ディスクが付いてないよ。あるのはフロッピーディスクドライブぐらいだ。時代 を感じるなあ。

実際にいじってみることにしました。「あっ!電源を入れたとたん、画面 が映っ た!起動時間なんてないのと一緒だ!なんか、このパソコン、魅力を感じるよ!」

「おきまりですか、お客様・・・」シンプルなパソコンだけど、どうやって音を 鳴らすの?「それはですね、たとえば"ドレミ"と鳴らしたければ、キーで画面 に "CDE"と入力するのです。そして実行キーを押します。"+"や"−"で音を半音あげ たり、下げたりもできます。もちろんオクターブの変更もできますし、それから、 それから・・・」

説明を一通り受けた頃には、デプ太くんはこの前世代の8ビットパソコンにとき めいていました。PSG音源、FM音源(いずれも音源の名称)が標準搭載でシーケン サーソフトなしでもBASIC(プログラミング言語のひとつ)で音が鳴らせるらしい。 音色も貧弱だけどなんか懐かしくていい感じ!しかもBASICも標準搭載です。 「これにする!」そう、デプ太くんは十徳ナイフ的な物に魅力を感じる男の子 だったのです!

購入決定。 「お父さん、ありがとう」「がはははーっ」「もう、どうでもいいわ・・・」

家に帰ると、早速セッティング。そして当初の目的であった「笑点」のテーマの データをひたすら打ち込みます。「鳴った・・・」感動もひとしおといったとこ ろでしょうか。

そんなこんなで今年の夏休みは終わったのです。夏休みの自由課題として「笑点」 のテーマのアレンジを出品しました。ロックンロール笑点、ヘヴィ・メタル笑点、 ロカビリー笑点 etc・・・発表の場で一緒に聴かされた生徒達は感心と嫌気がさ した複雑な気持ちになってしまいました。

やったネ!デプ太くん!

〜最後に〜
今回、デプ太くんが選んだパソコンはMacでもWindowsでもない昔のホビーパソコン という設定です。MIDIが一般的になる前は、このようにBASICなどで鳴らしてい た方も多いでしょう。皆さんのお家にもホコリをかぶっているパソコンがあるか もしれません。それらで音を鳴らせば、なつかしさで丸一日は暇つぶしができる のではないでしょうか。 たった4回のシリーズでしたが、最後まで読んで頂いて有り難うございました。


 

番外編 MIDI検定リポート   by コバヤスキー

もうすぐ、MIDI検定の季節ですね。

去年、私(こばやし)はMIDI検定試験を受けてきました。今回は、元受験生の一人 として当時を思い起こし、受験者側からみた検定試験を皆さんにレポートしてい きたいと思います。試験前の準備や試験会場の雰囲気、試験問題の難易度など、 受験者しかわからない内容がてんこ盛りですよ!

〜動機〜
去年、私はとある某DTMスクールに一年間通って、音楽を勉強していました。
「MIDI」という科目でたまたまMIDI検定3級公式ガイドブックという本を使っておりその科目の内容が終わる頃、検定試験のことを聞きました。問題はちょうどガ イドブックの内容から出題されるらしく、3級はそんなに難しくはないそうです。

「試験か・・・なつかしい響き。何年ぶりかしら。受かったらさぞ気持ちのいいことだろう。今勉強していることをかたちとして残しておこう。ん?2級の試験も 同じ日に受験できるのか。ついでに受験する!」という単純な理由で3級だけで なく2級も受験することにしました。

〜試験前の気持ち〜
試験に備えて、3級ガイドブックを読み尽くし、巻末にある過去問題も解いて、 自信まんまんでした。「ふふふ、か・ん・ぺ・き!」しかし、同時に2級の筆記 試験も受けるので、こちらはあんまり、自信がありませんでした。2級のほうは3 級より覚える内容が難しい上に、演奏時間などの計算問題も多少出題されます。 AMEIのサイトをみても2級筆記の合格率はおよそ40%でした。
「ううっ、大丈夫かしら・・・」

何回も2級ガイドブックを読み、対策講座も受け、「大丈夫なのだ!」と自分をはげまし、落ち着かせていました。

〜試験会場当日の雰囲気〜
当時通っていたDTMスクールが試験会場になっていたので、そこで申し込みをす れば自宅から近かったのですが、そうとは知らず直接AMEIに申し込んでしまった ために自宅から遠い試験会場に割り振られてしまい、結果的に遠くの方まで出かけることになりました。

建物の上の階で試験が始まるのを待っていました。試験会場となる部屋をのぞいてみましたが結構広くてしかもきれい。50人ほどが座れるような教室です。イス はなんだか座りごこちがよさそう。ホールに戻ると、受験生はしずかに過去問題 のテキストをめくっています。とても熱心です。重厚感が漂っています。空調の 音が静かに聞こえるほどです。入試とよく似た雰囲気です。

「受験なんて何年ぶり。そもそも、こんなことして、からだとこころが耐えられるのだろうか?」と、どうでもいいことを考えていました。気持ちを落ち着かせ るためにのんだ自動販売機のジュースがおいしかったです。

〜試験問題の難易度と問題 2,3級筆記〜
3級は気持ちがいいほど順調に問題がとけました。何回も予習した結果 なのです。
でも、イベントリスト関連の問題だけは慎重に解きました。過去問題を解いたときに多少間違えたからです。そのほかはつまずくような難しい出題はありませんでした。

今度は2級の筆記ですが、事前にDTMスクールの2級対策講座を受けたので、大抵 の問題は簡単に解けました。でも、言い換えれば、対策講座を受けなければ全く わからないものばっかりだったのです。

出題内容は3級よりもかなり高度です。たとえば【MIDIデータ規格】という問題 は、○か×で解答するのですが、引っかけ的な要素が多く、時間をかけて悩んでしまいました。それと【ノート情報と表現〜】という問題。3級にもあったイ ベントリスト関連の拡張版で、譜面が4パートにドラムセットもあります。今度 は譜面とイベントリストを見比べて間違いを探し、修正するという、骨の折れる問題です。この間題群をしくじれば、合格点に届かない点配分になっています。 2級筆記のメインともいえる問題なのです!事前に注意せよと教えられたことも あり、汗を流しながら何とか解けました。真冬だったのに。しんどかったなあ。 みなさんも、ここは要チェックです!

〜2級実技〜
実技は不合格でしたが、ちょこっと書いておきます。

筆記試験を合格して、実技まで何とかたどり着きました。今度の試験内容は会場で渡される不完全な曲のMIDIデータを、正しい楽譜とヘッドフォンだよりにデータの間違いを探し、修正していきます。何度聞いても違いがわかりづらいのです! 微妙に違っているのです!
そうして悩んでいる間に、試験が終わってしまいました。二時間もあったのに。事前に試験に使用されるMIDIデータや楽譜(試験前に送付、サイトからダウンロードできる)をあまり聴いたり見なかったりしたのが原因でした。

ちなみに私の受験環境ですが、Windows98のマイクロATX(Pentium3搭載)でシー ケンサーソフトはSingerSongWriter6、液晶モニタ(15インチ)、MIDIキーボード に音源はSC-8850という構成でした。OSとコンピューター、ソフトは実技試験申 し込みの際に選択します。Macをえらんだ受験生はiMacでしたよ。

〜合格してみて良かったこと〜
2級の実技は不合格で残念でしたが、それ以外は合格だったので、まあまあ満足 しております。学生時代からかなり時間が経っても勉強すれば、試験というもの は合格できることもあるのだな、と実感、感心し、なんだか勇気づけられました。 AMEIからはキャッシューカード大の「合格証」がもらえて、ちょっとうれしかったです。

今回は、悲喜こもごも?な経験をしました。たまにはこうしたイベントに参加するのもいいものでした。

みなさんもMIDI、DTMの使い手として、また、自分を再確認するためにも受けてみてはいかがですか?




第3話 〜迷と明、わたしはここに〜   by コバヤスキー

わたし優子。13歳中一。
今日は二人の後を追って電気街へやってきたの!わたしはべつに学校のパソコン で十分よ。いま凝(こ)っているのがロケットを月へ打ち込むシミュレーション。 昨日は見事に「静かな海」に散ったわ。自作?なにそれ。うふっ。

おにいちゃん、見つけたわよ!えっ?Windowsを選んでいたのに途中でよし子ちゃんでMac?で、やっぱりWindowsでメーカー製より自作?なによそれ・・・ そんなことじゃ将来は変節漢よ。だいたいお兄ちゃんは鈍くさいからパソコン なんて組めないわよ。メーカー製の完成品を選べばいいのよ・・・
わたしなら有名パソコンメーカーのブランドになびいちゃうわ。そしてうっとりするの。それじゃだめなの?

「でもこのコラムでは、ぼくが悩んだあげく、DTMを始めることができる設定だから、もっともっと悩ませておくれよ」ふーん、たいへんねぇ。

4階、周辺機器とパソコンパーツ売り場。
Macの選択肢はまだ残してあります。デプ太くんは店員さんから自作パソコンのあらましを聞きました。
「ううっ、基本的に決められた仕様にしたがって各メーカーが各パーツを作っているから適当にそれらを組み合わせてもOKなんだね」

自分で組み立てるから、部品の構成もわかるし、パーツが壊れてもある程度、交換修理ならできる?気に入ったパーツでまとめられるから満足感いっぱい?メー カー製パソコンが遠慮しがちなマニア向けパーツも選択できる?ただし不具合がおきても自己責任とはっ!うひゃあ。
「でも、初めてで予備知識なしだからパーツの違いがわからない・・・マザー ボードだけでも何種類もあるよ・・・うーん、うーん、ううっ!」
デプ太くんは考え込むとその場にうずくまってしまいました。

しょうがないわねぇ。このままじゃ、病気になるわ。組み立て代行サービスがあるみたいだから、それを頼みましょうよ。組み立て料金がかかるけど、パーツが 選べて、かつ、お店の保証がつくみたい。
「えーと、ナウなヤングにばかうけするパソコンをどうかひとつこの兄のためによろしくおねがいします」
ほら、なにしているの、お店の人にアドバイスしてもらうのよ。あっ、お兄ちゃん の顔が急に明るくなったわ・・・でもね、これって自作というより他作なのよ!

「お客様、見積もりがご用意できました」
優子ちゃんはそれをみてびっくり。金額が七桁です。
「ちょ、ちょっと!どうしたらパソコンがそんなに高くなっちゃうのよ!?普通 は高くても10万円前後にまとまるものよ!なに?ダイヤモンド装飾のパソコンケー ス?王室の雰囲気?何考えているの!それにうちのお父さんはけっこう豪快だから買っちゃうわよ!そんなことになったら、向こう一年、我が家はごはんにおか ずがなくなっちゃうわ!」

DTMコーナーにも用があるのに大変ですネ! 〜つづく〜
 

 


第2話 〜汝、こころを聞け〜  by コバヤスキー

3階、パソコン売り場。
夏のボーナス商戦まっさかり。お買い物ソングが元気に響きわたります。店員さんによれば、同じパソコンでもWindows(以下Win)とMacintosh(以下Mac)は造り、 機能などが違うパソコン。でもデスクトップの画面の雰囲気は似ています。

ぼくの場合、友人の多くがWinユーザーなので、とりあえずそっちにする・・・
わからないところは友人に聞く寸法なの!でもホントはまだ迷っているの!ところでお父さん、予算はいくらまで?
「そんなもの、気にする必要は、ない!がはは!」

ただ、両機種で発売されている同タイトルの2D、3D、DTMなど一部の高額アプリ ケーションソフトのバージョンは、以前はMacのほうが新しかったり、またMac でしか発売されていないソフトもあったみたい。
とくにDTPはMacのほうが使い勝手がいいそうです。ははーん、ここらへんが前回 のいとこのお姉さんの口癖の理由か。でも周辺機器になるとWinがとても多いです。また、Mac未対応として発売しておきながら、あとでMacでも使えるようにそれ用のプログラムをネットで配布するケースもあるんだって!

ううっ、それにしても、どちらを選ぶかで、今後、買うソフトや周辺機器が自動的に決まるんだね。途中で機種を変えるなんて、おそろしや。

ん?そのとき、聞き覚えのあるかわいい声が聞こえてきました。デプ太くんが気にしているクラスメイトのよし子ちゃんです。向こうに消えていきました。当然 デプ太くんは後を尾けます。
マック売り場か!よし子ちゃんはMac・・・ぼくもMacにすれば、操作方法を二人 きりで教えあったりできるかも!そして、二人の関係は!ありがちな妄想にはまってしまいました。

「そうだ、ここは、『こころ』を・・・そう、真実の『こころ』だけを聞くの だ・・・」目を閉じて精神統一。彼の頭から雑念と一緒にお買い物ソングが消えていきます。そして『こころ』が聞こえだしました・・・

『ノルマが、ノルマが・・・リストラ・・・うちには家族が・・・』
ううっ、悲痛だなあ。そのときです。
『メーカー製Winパソコンなんて、普段は使わないアプリケーションが何十個も入っていて、新しいOSをいれようなんてすれば、メーカーサポートは知らんぷり。 周辺機器を継ぎ足したらその時点で保証外。サポート電話はつながりにくい。 最近はかなりよくなってきたけど、Winパソコンは自作にかぎりますなぁ旦那』
このやけに説明的な『こころ』にデプ太くんはうろたえます。「自作?」

「お父さん、自作ってなあに?」「がははー!」
また、選択肢が増えちゃいましたネ。



第1話 〜何をするにも、まずパソコンありき〜  by コバヤスキー

ぼくデプ太。14歳中二。
この間、梅田の電気店の「DTM」売り場を見てきました。 そこでは、ぼくの尊敬 する円楽師匠の「笑点」のテーマソングが豪華な響きで流れていたの。どうやら パソコンとかを使って鳴らしていたみたい。とても気になって、いろいろ店員さ んに質問したけれど、何をするにもパソコンが必要なんだって。お父さん、ぼく もパソコンがほしい年頃なの!
「では、買ってやるぞえ!WindowsパソコンかMacintoshパソコンを選ぶのじゃ!」

ここで、デプ太くんは悩みます。二者択一。「ビルゲイツを偶像崇拝している」 「我が家の家訓にアップル社を選べとある」なんて人はいますか?そうでしたら 話が早いのですが。ほかにもUNIXパソコンなどがありますが、現実問題としては WindowsパソコンかMacintoshパソコンを選ぶことになります。さてさて話はもど ります・・・

お父さんは会社ではレンタルかリースでWindowsパソコンを使っている。いとこ のお姉さんは出版関係の会社でMacintoshを使っていて、口癖が「プロはやっぱ マックでしょ」だったし。
でも、この間、Windowsパソコンを使っている友人がネットで手に入れたえっち なイラストをプリントアウトしたり、その顔だけをPhotoshop(Adobe社のレタッ チソフト)でクラスの女の子の写真とすげ替えたり、結構、気軽にやっていたなあ。彼の場合、夜のテレビショッピングでパソコンを買ったら、プリンター、デ ジタルカメラ、スキャナーなどあんまし使わない周辺機器までもがてんこ盛りで ついてきたんだって。おまけに金利はその会社持ち。
うーん、これって得なのかなあ。ああいう番組って、言葉のレトリックをたくみ に使っているのでは?

よけいなことを考えながら、デプ太くんはさらに悩みます。普段は買わないパソ コン雑誌を数冊、立ち読みしました。そして、あることに気がつきました。
「パソコンって数ヶ月ごとに新しい製品が出るのか・・・それに、同じ価格なら、 性能は似たり寄ったり・・・これなら、1台のパソコンを5年も使っていられない や。長い人生、何台も買い換えなきゃならないようだね。だったら、はじめは適 当なやつでいい」
ついにデプ太くんは、ある一つの真理に達したようです!

お父さん、次の日曜日にパソコンを買うからぼくを電気街に連れて行って!
「よっしゃ、よっしゃ、がははー!思う存分、見てくるがよい!」
これで、ぼくも来週にはいっぱしのパソコンユーザー。購入現場ではWindowsか Macを選ぶだけだね。店員さんの口頭供述もよく参照しようっと。早くパソコンで 「笑点」のテーマを鳴らしたいな。

こうしてデプ太くんは胸をときめかせながら、ベッドに入るのでした。〜つづく〜