| ■セットアップ小節に含まれる3種類のデータ ■パートの設定を行うためのデータ |
前回(第5回)は、セットアップ小節を入力していただきました。 さて、せっかくセットアップ小節が用意できても、その使い方がわからなければ効果的な音源のセットアップはできません。 |
セットアップ小節に含まれるデータは、大きく3つに分類することができます。
このデータの分類については、すでに第4回で一度ふれたのですが、復習の意味も込めてもう一度説明したいと思います。
1つめは、「音源を初期化するためのデータ」です。
前回入力したセットアップ小節では、[XG System On]がそれに当たります。
このデータによって、音源のサウンドモジュールモード(*1)がXGに切り替わり、すべてのパラメーターが初期化されます。
2つめは、「エフェクトを設定するためのデータ」です。
前回入力したセットアップ小節には、このデータは全く含まれていません。
その理由は後日明らかにしたいと思いますが、最終的には[0001.02.000]〜[0001.04.479]の間にそのデータが入ることになります。
以上の2種類のデータは、すべてシステム・エクスクルーシブ・メッセージ(*2)になります。
システム・エクスクルーシブ・メッセージにはMIDIチャンネルが必要ないため、任意のトラックに入力すれば音源全体の設定を変更することができます。
前回入力したセットアップ小節では、データの構成をわかりやすくするために上記2種類のデータをトラック1に入力しています。
3つめは、「パートの設定を行うためのデータ」です。
これは音色やボリュームなど、パートごとの音源設定を行うためのデータです。
当然パートごとにデータを用意する必要があるため、1〜16の各トラックにそれぞれデータを用意します。
前回作成したセットアップ小節では、トラック1の2小節目に入力した後、他のトラックにコピーしたデータがすべてこれに当たります。
それでは、2小節目のパートの設定を行うためのデータについて、各データの働きをセットアップ小節に入力している順番に説明していきましょう。
Control #0 [Bank Select MSB]
Control #32 [Bank Select LSB]
Program
バンクナンバーとプログラムナンバーを指定して、ボイスを選択するためのデータです。
まず、Bank Select MSBでボイスの大きな区分けを選択します。
ここでBank Select MSB=0(ノーマルボイス)に設定すると、Bank Select LSBでバリエーションボイスのボイスバンクが選択できます。
Programでは、各ボイスのバンクの中から任意のボイスを選択します。
ボイスの選び方についてより詳しく知りたい方は、この講座の第3回をご覧ください。
Control #7 [Volume]
音量を設定するデータです。
各パート間の音量のバランスを取る用途に使われます。
演奏中の音量の変化は、エクスプレッションで再現します。
値の範囲は0〜127で、初期値は100に設定されています。
音量バランスの取り方は、ドラムパートを基準にして他のパートをそれに合わせます。
Control #10 [Pan]
音の左右の定位を設定するデータです。
定位は、値が64で中央、0で左、127で右になり、その間は連続的に移動します。
初期値は全パート64に設定されています。
Control #11 [Expression]
ボリュームと同じく音量を設定するデータです。
一般的には曲中で連続的にデータを挿入して、演奏中の音量の変化を付ける用途に使われます。
セットアップで値を操作することはあまりありません。
Control #91 [Reverb Send]
リバーブの深さを設定するデータです。
初期値は全パート40に設定されています。
一般的に奥に引っ込めたいパートは深く、前に出したいパートは浅くかかるように設定します。
エフェクトプログラムやエフェクトパラメーターの変更方法については、また後日説明します。
Control #93 [Chorus Send]
コーラスの深さを設定するデータです。
初期値は全パート0に設定されており、コーラスはかかりません。
コーラスをかけると音が奥に引っ込んで左右に広がります。
Control #94 [Variation Send]
バリエーションエフェクトの深さを設定するデータです。
初期状態では、バリエーションエフェクトがインサーションエフェクト(*3)に設定されているので、このデータは無効になります。
後日、バリエーションエフェクトの使い方を解説するつもりですので、それまで0のままで使ってください。
Control #74 [Brightness]
音の明るさを変更するデータです。
実際にはローパス・フィルター(*4)のカットオフ・フリケンシー(*5)を操作することで音の明るさを変更しています。
64が選択しているボイスの元の明るさで、数値を65より上げると明るく、63より下げると暗くなります。
ちょっと操作するだけでも音色の雰囲気が大きく替わるので、音色のバリエーションを増やすことができます。
ただし選択しているボイスによっては、値を65より上げても明るさが変化しない場合があります。
Control #71 [Harmonic Content]
音に独特のクセを付けるデータです。
実際にはローパス・フィルターのレゾナンス(*6)を操作することで音に独特のクセを付けています。
64が選択しているボイスの元の設定で、数値を65より上げるとクセの強い音になり、63より下げると丸い音になります。
こちらも、音色のバリエーションを増やすのに役立ちます。ただし選択しているボイスによっては、値を増減しても音色が変化しない場合があります。
Control #73 [Attack Time]
音の立ち上がりの速さを変更するデータです。
64が選択しているボイスの元の設定で、数値を65より上げると立ち上がりが遅くなり、63より下げると速くなります。
ストリングの立ち上がりを調節するときに便利です。
Control #99 [NRPN MSB] 1
Control #98 [NRPN LSB] 100
Control #6 [Data Entry MSB] Eg Decay Time
音のディケイの速さを変更するデータです。ディケイの速さは、Data Entry
MSBの数値で変更します(NRPN MSBやLSBの数値は変更してはいけません)。
選択しているボイスによっては、値を増減してもあまり変化しない場合があります。
Control #72 [Release Time]
音の減衰の速さを変更するデータです。
64が選択しているボイスの元の設定で、数値を65より上げると減衰が遅くなり、63より下げると速くなります。
Control #101 [RPN MSB] 0
Control #100 [RPN LSB] 0
Control #6 [Data Entry MSB] Pitch Bend Sens.
ピッチベンド・ホイールによるピッチ変化の幅を設定するデータです。設定する値の範囲は0〜24。
半音単位で最大24半音(2オクターブ)まで設定できます。
ギターのハマリングやアーミングを再現するためには、12(1オクターブ)程度に設定する必要があります。
Control #99 [NRPN MSB] 1
Control #98 [NRPN LSB] 8
Control #6 [Data Entry MSB] Vibrate Rate
ビブラートの揺れの周期を設定します。
数値が小さいとゆっくり、大きくなると速く揺れます。
64が選択しているボイスの元の設定で、数値を65より上げると周期が速くなり、63より下げると遅くなります。
Control #99 [NRPN MSB] 1
Control #98 [NRPN LSB] 9
Control #6 [Data Entry MSB] Vibrate Depth
ビブラートの深さを設定します。64が選択しているボイスの元の設定で、数値を65より上げるとビブラートが深く、63より下げると浅くなります。
Control #99 [NRPN MSB] 1
Control #98 [NRPN LSB] 10
Control #6 [Data Entry MSB] Vibrate Delay
鍵盤を弾いてからビブラートがかかりはじめるまでの時間を設定します。管楽器などでは、音がある程度伸びたあたりでビブラートをかけるのが一般的なので、ビブラート・ディレイを設定することで自然なビブラートを再現できます。
64が選択しているボイスの元の設定で、数値を65より上げるとビブラートがかかりはじめるまでの時間が長くなり、63より下げると短くなります。
(※1)サウンドモジュールモード (※2)システム・エクスクルーシブ・メッセージ
(※3)インサーションエフェクト (※4)ローパス・フィルター (※5)カットオフ・フリケンシー (※6)レゾナンス |