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■はじめに
■エクスクルーシブって、いったい何?
■エクスクルーシブと16進数
■音源を初期化するエクスクルーシブ
■エフェクトの設定を行うエクスクルーシブ
■はじめに
確かに、数字やアルファベットがずらずら並んでいる様子は、なんだか難しく思えてしまう。できたら避けて通りたいって感じてる人も多いんじゃないだろうか。
でも、もしエクスクルーシブが使えなかったらどうだろう。
エクスクルーシブが使えなかったら、音源内部の設定をMIDIからは操作できなくなってしまう。例えば、音源を初期化できない、エフェクトの種類を変えられない…。
音源の設定の中には、コントロールチェンジやNRPNに割り当てられているものもあるけど、全てのパラメーターを操作するためにはエクスクルーシブを使うしかない。
しかもXGやGSでは、エクスクルーシブを使ってディスプレイに文字や絵を表示する機能や、特定のMIDIメッセージを受信しなくする機能、パートごとの調律を変更する機能なども用意されている。これらの機能はエクスクルーシブでしか使うことができない。
こうなったら、何がなんでも使うしかない、というのがエクスクルーシブなんだ。
「もちろん使いたいんだけど使い方が分からないんだよね」と思っているキミのために、今日はエクスクルーシブについて基礎から説明しよう。
■エクスクルーシブって、いったい何?
両者の違いはいろいろとある。例えば、エクスクルーシブにはいわゆるMIDIチャンネルは無いだとか、エクスクルーシブはデータの長さが決まっていないとか…。
違いはいろいろあるが、重要なポイントは2つ。
1つはエクスクルーシブが演奏には全く関わらないMIDIメッセージだということ、もう1つはエクスクルーシブがメーカー間で全く互換性のないメッセージだというである。
エクスクルーシブは、演奏には全く関わらないMIDIメッセージである。そこでエクスクルーシブのことを、個人的にはMIDIの裏方メッセージだとか、MIDI界のマニピュレーターなどと呼んでいいる。
エクスクルーシブは、演奏に関わらない替わりに、楽器の音を作ったり、エフェクトを調節したり、コントローラーのセッティングをしたり、鍵盤を調律したりなど、まさにMIDI界のマニピュレーターと呼ぶにふさわしい仕事ぶりだ。
また、エクスクルーシブは世界共通規格であるMIDIの中にあって、メーカー間で全く互換性のないただ一つのメッセージであある。
例えば、ヤマハのMU80(XG)のエクスクルーシブはヤマハのMU80(XG)だけ、ローランドのSC88(GS)のエクスクルーシブはSC88(GS)だけに有効で、他のメーカーの別の音源に送っても無視される。
もっとも、音源が持つ内部パラメーターはメーカーや機種が違えば当然違ってくるわけで、それを統一するのは無理な話だ。
そこでMIDIでは、世界中の楽器メーカーにIDナンバーを1つず割り当て、それをエクスクルーシブの最初に送ることでメーカーの区別をするという仕組みをとっている。
ちなみにこのメーカーID、ヤマハが43H、GSが41Hである。また、メーカー共通のエクスクルーシブ(GM関係など)を表すIDとして、7FHと7EHも決められている。
こういう状況の中で、せめてDTM用の音源だけでもエクスクルーシブを含めたデータの互換性を持たせようと言うことで、ヤマハがXG、ローランドがGSを提唱した。MIDIデータでエクスクルーシブが頻繁に使われだしたのは、これらの規格ができてからのことだ。

■エクスクルーシブと16進数
ちなみに、16進数の「10」は「じゅう」ではなく「いちぜろ」と読む。
なぜ16進数で表示されるのかというと、その方が分かりやすいからだ。信じられないかも知れないが、2進数でやり取りされているMIDI信号は、10進数よりも16進数で表した方が扱いやすい。
16進数がよく理解できない人のために、10進数と比較しながら16進数を説明しよう。
10進数は、0〜9の10の数字を使って数を表している。
10個の数字を使うから10進数だと考えてもらえばいいだろう。数の数え方は0、1、2ときて、9までくると位上がりをして10になる。さて、これをそのまま16進数に当てはめてみよう。
16進数は、0〜9の10個の数字とA〜Fの6個のアルファベットを使って数を表す。16個の数字が必要なので、アルファベットから6個の文字を借りてきているわけだ。
数の数え方については、表1に示した通りだ。9の次がAになること、そしてFまでくると位上がりをすることさえ理解できれば、そう難しくはないだろう。MIDIで扱う16進数は2桁までなので、00からFFまでを知っていれば大丈夫だ。

なぜなら、「A0」を「えーじゅう」とか、「FF」を「えふじゅうえふ」って読むのも変でしょう。
また、16進数と10進数とを区別するために、16進数の数字の後ろには「H」を付けることが決まりになっている。だから、16進数の10は、10Hという表記になる。

■音源を初期化するエクスクルーシブ
この表示の中には、音源を初期化するエクスクルーシブと、エフェクトの設定を行うエクスクルーシブが含まれている。この中から、まず音源を初期化するためのエクスクルーシブを紹介しよしよう。
図1は、XG、GS用に作られたMIDIデータの1小節目を、Performerのイベントリストで表示させたものだ。

市販されているMIDIデータの1小節目には、必ず音源を初期化するためのエクスクルーシブが入力されている。
これは、最適な音源モードを設定し、全てのコントローラーをリセットする働きを持っている。もし、そのエクスクルーシブが無ければどうなるだろうか。
まず、音源がGMやXG、GSに自動的に切り替わらない。また、コントローラーやピッチベンドが初期化されないため、いきなりモジュレーションがかかっていたりピッチが違っていたということが起こりうる。こういうトラブルを防ぐために、曲の頭で音源を初期化をするわけだ。
さて図1を見ると、初期化のためのエクスクルーシブがGM、XG、GSといった音源モードごとに用意されているのが分かる。
つまり、データ制作の際には、この3種類のエクスクルーシブから使用した音源に合ったものを選んで、シーケンサーの1小節目に打ち込んでおけばOKというわけだ。
ちなみに、図1のXGに「GMモードオン」と「XGシステムオン」の両方が入力されている。
これは、このデータをGM音源で再生してしまったときにも、音だけは鳴る状態にするための配慮だ。みんながXGデータを作る際には、もちろん「XGシステムオン」だけで十分だ。
さて、初期化のエクスクルーシブを挿入する時の注意を1つ。
各音源はこれらのエクスクルーシブを受信すると初期化の動作を行うのだが、それに約50ms(0.05秒)の時間がかかる。
当然、初期化の動作中に受信したMIDIメッセージは全て無視されてしまうので、音源を初期化するエクスクルーシブの後は、十分な間隔を空ける必要があるのだ。表1を見ると、初期化のエクスクルーシブの後には、240ティック(8分音符)の間隔が空けられているのが分かる。
これを参考にして、十分な間隔を空けるようにしてほしい。

■エフェクトの設定を行うエクスクルーシブ
たいていの音源は、初期化することでリバーブとコーラスについては標準的なエフェクトが設定されるのだが、例えばディストーションを使いたいときなどは困ってしまう。
そこで利用してほしいのが、図1にあるエフェクト設定のエクスクルーシブ。このままシーケンサーに打ち込めば、図に書いてあるエフェクトが選ばれる。
他のエフェクトに設定したいときには、XGではデータの部分を、GSではデータとチェックサムを書き替えればいいだけだ。
データについては、エフェクトの種類ごとの一覧表が音源に付属のマニュアルに載っているはずなのでそれを見てほしい。
チェックサムも、音源に付属のマニュアルの最後の方に計算方法が書かれているので、それで計算してみよう。ちなみにチェックサムとは、メッセージが正しく受信できているかどうかをチェックするための数値のことだ。
ここで、MU80、MU50のユーザーに、取って置きの方法を教えよう。
本体のパネル操作でエフェクトを設定してからENTERボタンを2度押す。すると、ディスプレイに16進数らしきものが表示されるはずだ。
これが、たった今設定したエフェクトを選ぶためのエクスクルーシブなのだ。
最後になるが、図1のエフェクト設定のエクスクルーシブは、アドレスの部分を入れ替えるだけで他のパラメーターを操作するエクスクルーシブになる。
アドレスの数値は、それぞれの音源のマニュアルの資料や付録に書かれているので、ぜひチャレンジしてみてほしい。
